センター便りNOTICE
インフルエンザは毎年はやります!
Q. “かぜ”はなぜ“風邪”って書くのですか、“風”ではいけませんか?
A. 古い時代の中国医学に由来します。風の邪気で病気になる。つまり“風邪ふうじゃ”といったことに由来します。インフルエンザは星の影響(Influence)で病気になるという 意味で西洋から伝わったものです。よく似ています。
Q. 風邪を予防するのに、何で“うがい”をするのが一番よいですか?
A. 京都大学の研究によると、水道水でうがいをすると40%の予防効果が認められました。一方ヨードでは予防効果はなかったとのことでした。ヨードが正常粘膜を刺激するためのようです。ちなみに、うがいの語源は鵜飼(その様が似ているため)と言われています。
Q. マスクすると風邪は予防できますか?
A. 予防には鼻・のどを湿らせることが大切です。マスクは鼻・のどを加湿するため、十分予防効果が期待できます。市販の安価なもので十分です。
Q. 風邪は根性や気合いで予防できますか?
A. 二つの説があります。
(説1)根性や気合いで物事に集中することにより、症状をまぎらすことはできるが、ウイルスを退治することはできない。
(説2)根性や気合いで免疫力が増し、罹りにくく、また罹っても早く治る。また強いストレスはリンパ球の働きを抑えるため良くない(東京理科大教授 阿部良)。確かに気が緩んだ時に風邪をひくことを経験します。
あまりに忙しいと風邪をひくこともよく経験します。私は説2が正しいと思いますが・・・
Q. 風邪に抗生物質は効きますか?
A. 日本人は風邪のときに抗生物質をよく飲みます。米国人も日本人ほど無いにしてもその傾向があります。
頭で考えると“いわゆる風邪”はウイルスが原因なので、これには抗生物質は効きません。効かないばかりか、体の中で抗生物質の効かない菌を作ってしまいます。成人の風邪の場合、肺炎など(細菌による二次感染)の兆候が認められたら飲むというのが適切と考えます。しかし、風邪の患者さんに、抗生物質を出さないと、がっかりして帰られることをよく経験します。
Q. タミフルは普通の風邪にききますか?
A. 風邪のウイルスを殺す薬は現在のところありません。インフルエンザには、タミフル、リレンザ、イナビルなどの特効薬があります。インフルエンザ以外には効きません。
Q. 風邪にたまご酒はききますか?
A. 身体が温まるため風邪に効くと言われていますが、実際は効果がありません。
ただ卵白にリゾチームが含まれるため多少の殺菌効果が見込めるかもしれません。
西洋でもチキンスープやホットトデイ(あったかい飲み物にシナモンや柑橘類をカクテルしたもの)が卵酒と同じように風邪の治療薬としてよく飲まれます。
Q. 風邪のとき風呂に入ってよいですか?
A. 貝原益軒の「養生訓」には「熱病に入浴は良くない」とあります。一方欧米ではぬるま湯で体をふくことにより、積極的に解熱をはかるという慣習があります。一部には逆に「熱い湯に浸かったほうが風邪がよく治る」と考えている人もいます。小児科にアンケートをとったところ、60%が「平熱にかぎり許可する」 30%が「熱があっても許可する」というものでした。入浴は風邪の経過に良くも悪くもないようです。
私は“本人が入りたい気分”なら、入ってもよいと説明しています。
Q. 最後に基本的な質問ですが、風邪ってなんですか?
A. 1)のど、咳、鼻の症状が2)急性にあって、3)これがウイルスによると考えられるものを一般に風邪と呼んでいます。(細菌によるものも含めて風邪と言う場合もありますが・・)
風邪を部位別に、急性鼻炎(鼻かぜ)、急性咽頭炎(喉かぜ)、急性扁桃腺炎(扁桃腺)、急性気管支炎などと、より細かく診断することもあります。また原因別にインフルエンザとかアデノウイルス感染症などと、原因菌の名前をつけて診断することもあります。
しかし、どれも一言でいうと風邪ということになります。